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2010年6月16日 (水)

電子書籍

最近、iPadがリリースされたことで、電子書籍に関することが盛り上がりつつあるように思う。

こういう電子書籍でやりたいことがあるし、この流れに乗り遅れてはいけない、と思ったので、色々と調べてみたのでここでまとめておこうかな、と。
興味のある人だけ読んで下さいね。

電子書籍は、特殊なフォーマットは除き、現時点で一般的であろうフォーマットは、PDF、ePub形式、AmazonのKindle形式AZW(実際は、mobi形式)だと思う。

中でも、ePub形式が盛り上がっていくのは明らかだろう。

でも、ePubにしろ、mobi形式にしろ、まだまだ発展の余地があり、場合によっては、PDFの方がいいかも、という時もあると思う。

久しぶりに、フリーのPDF作成ソフトを評価してみた。

随分前に一度やった時は、イマイチだなぁ、と思っていたけれど、次の2つはなかなかどうして、という感じだった。

BullzipPDFCreator

結果から言うと、Acrobat(version5とかなり古いけれど...)と比較しても、結果物は遜色ない。

これが一番重要だけれど、ファイル容量は、どちらも、Acrobat5で作成したものより半分以下。PDFCreatorの方が更に小さい。
見た目がそれほど遜色はない、という点では、PDFCreatorの方が魅力的だろう。

次に、Acrobat Readerで読み込む場合は、どのファイルも問題ないけれど、別のPDFリーダーで読み込むと、AcrobatとPDFCreatorは、フォントによっては崩れてしまう。が、Bullzipだけは崩れていないという、とても優秀な結果に。

総合的に見ると、使いやすさ、表示のよさを考えると、Bullzipの方がいいと思う。但し、英語版だけれど。
(BullzipもPDFCreatorも、ColorのところにCMYKやRGBが選べるのだけれど、これって本当に有効なのだろうか??)

もし、フリーのPDF作成ソフトを探している人がいたら、Bullzipを使ってみるといいと思う。

さて、本題。

ePubとはなんぞや、というのはここでは書かず(検索すればすぐに出てくるので、見てみてね)、どうすればそれを読めるか、どうすればそれを作れるか、という話を書いていこうと思う。Windowsベースで。

まず、ePubを表示するソフトは、いくつかある。

FlashベースのAdobeのDigital Editions(インストールする時にAdobeのアカウントが必要。)

ブラウザFirefoxであれば、アドオンでEPUBReaderというのがある。

そして、読む作る管理する、と3つの機能を持ったcarible
(これ、最初の内は慣れないと思う。色々と触って、ようやくわかった。)

次に、作成ソフト。

sigileCub、唯一日本製のText2ePub、そして、上記のcarible。

sigilは、Word感覚で作成出来る、WYSIWYGエディター。

eCubは、予めテキストを作成しておき、それを読み込み、ePubに変換するソフト。
更に、mobiファイルにも変換出来る。

Text2ePubは、eCubと同じで、予めテキストを作成しておき、それを読み込んで変換するソフト。
これも、mobiファイル作成可能。

最後のcaribleは、ePubやmobi形式だけではなく、色んな形式のファイルに変換してくれる。
テキストをライブラリーに登録しておき、変換するだけ。

で、出来上がったものをそれぞれの閲覧ソフトで見てみると・・・

日本語で作成した場合、どの作成ソフトで出来上がったePubも、Adobeのソフトでは全滅。
調べてみると、どうもタグ関連でうまく変換が出来ていないものがあり、Adobeのソフトではちゃんと読み込んでくれないのだそうだ。
そのタブを修正すればいいとのこと。

sigil - carible = 読めた
sigil - EPUBReader = 読めた

eCub - carible = ダメ
eCub - EPUBReader = ダメ
(mobiはcaribleでは読めた)

Text2ePub - carible = 読めた
Text2ePub - EPUBReader = ダメ

という感じ。

使い勝手も含めて、sigilはなかなかいいと思う。

が、どれも発展途上だから、なかなかうまくいかないみたい。

なんであれ、問題なく動かすためには、中のファイルのタグを触らないといけないようだ。

こういう出来たものを見ていて、とっても不満に思うことがある。

それは、日本語の小説であれば、縦書きで読みたい!!というもの。

ePubにしろ、mobiにしろ、1バイト、横書き文化の国が作ったものなので、残念ながら縦書きには対応していない。
これからの大きな課題になると思うし、そう遠くない時には改善されるだろう。

ePubの中身は、XHTMLなので、縦書きでも読ませられるのでは?ということで、チャレンジしていた人がいたけれど、どうもうまくいっていなかった。
やはり、規格そのものが対応してくれないとどうしようもない。
もしくは、次世代のHTML5やCSS3が普及すれば解決する話だろう。
(実際、iPhoneやiPad、Android用のコンテンツを作っている人で、CSSをうまく使って縦書きにしている人がいる。これはePub形式ではないけれど。)

ちょっと話はずれるけれど、日本語の小説を無料で読めるサイトがある。

ご存じの方も多いと思う。青空文庫
著作権切れの本を、ボランティアの人達がテキスト化し、皆で読めるようにしてくれているサイト。

このサイト上でも読めるのだけれど、横書きなので、やはり日本語は縦で読みたい!という思いが多かったのだろう。
青空文庫を縦書きで読めるビューワーがいくつもある。

いくつか試して、お、これはいいな、と思ったものを紹介。

Arisu Viewer - 一番のお気に入り。青空文庫のzipファイルを放り込めば読める。

smoopy - これはテキストを放り込む。

PageOne - これ、一番優秀。青空文庫のインデックスを読み込み、クリッククリックとしていくだけで読める。
が、どういう訳か、僕の環境では、zipファイルをちゃんと解凍してくれない(unzip32.dllがないというエラー。プログラムと同じファイルにもwindows\sytem32のフォルダにもそのファイルがあっても)。
とてもいいソフトなのに、このソフトの恩恵を受けられない...(泣)

Aozora Bookshelf - Adobe Airアプリケーション。本物の本棚が現れ、そこで管理してくれる。青空文庫のインデックスを読み込んでくれ、本をクリックすれば、ちゃんとPCに保存していってくれ、それが本棚に現れるので、満足感が間違いなくある。
ビューワーの方は、本のような形にしているので、本を読んでいるような気分になれる。

Aozora Viewer - Javaベースのビューワー。これも、青空文庫のインデックスを読んでくれるので便利。しかし、有償版でないと、オフラインで読める機能は提供されない。

縦書き文庫 - 青空文庫をブラウザ上で縦書きで読ませてくれるサイト。

僕的には、本のような形でなくていいので、ビューワーはArisu Viewerで、本の管理機能がAozora Bookshelfだったら最高なのに、と思った。(笑)
なかなかそうもいかないようで。
(どこかに、こういうファイルを管理するソフトってないかなぁ...)

こういうビューワーを見ていて気付いたことがある。

フォントによって、読む気になるものと読む気にならないものがある。

標準で、ゴシック系のフォントが設定されていることが多いけれど、これだとなんか堅苦しいというか、小説を読もう、という気になれない。

が、僕のPCに入っているHG正楷書体を設定すると、おおー、小説っぽい!格調高い!!っていう雰囲気になり、読む気になるのである。

これ、とっても不思議。

ePubのビューワーもそう。
標準のフォントではなく、HG正楷書体を指定してあげるだけでも、横書きだけれど、雰囲気が変わるのである。

これ、面白い発見であった。
(そういうコメントのあるサイトもあった。)

僕的には、古典を読みたいのだけれど、明治や大正、昭和初期の小説を読みたい人には、青空文庫はとってもいいサイトだと思う。無料で数千冊読めるんだから!
そして、海外にいると、活字に飢えてしまうからね。(笑)

こういうのが出来る、というのがわかると、あまり興味のなかった、こういうのが手軽に読める携帯端末がほしくなる!
デスクトップのモニターでは、なんか読みづらい...

上記にも書いたとおり、ePubやmobiの縦書き日本語対応はまだ時間が掛かると思うので、青空文庫を読むために、Windowsベースのいい携帯端末が出てくればいいのに、と思うのは僕だけではないはず。
上記のソフトを体験すれば、ほとんどの人がそう思うだろう。
(ちなみに、iPhoneやAndroidで使える青空文庫を読むためのソフトもあるようなので、検索してみて下さい。)

閑話休題。

横道が長かった。(笑)

こうやって見て来ると、現時点では、縦書きに関しては、青空文庫を見るためのビューワーのようなものが必要になってくる。
そして、いずれは、ePubでもそういうことが出来るだろう。

それまでのつなぎ的な考えになりそうなのが、上記の縦書き文庫のようなもの。

これ、涅槃というプロジェクトの縦書きJavascriptを流用して作ったのだそうだ。

これはなかなかいい感じなので、個人的にも何かで使えないだろうか、と思っている。

更に、ブラウザベースで、携帯端末でも見られるページを作れるJavascriptがあった。

Monocleというもの。

これはなかなかいいソフトだと思った。
紙芝居的なものも作れそうだし。
(しかし、ちょっと触った感じだと、widthを変更すると、どうもうまく動かないようだ。デフォルトのwidthやheightのままの方がいいみたい。)

そこで思った。

可能かどうかわからないけれど、この涅槃とMonocleというのを組み合わせて、携帯端末向けの縦書きページが作れないかな、と。

HTML部分を見ていると、ePubが縦書きに対応しても、移行も簡単そうだし。

ちょっとチャレンジしてみようかな、と思っているところ。

と、ざっくりとだけれど、現時点での電子書籍に関する今できることがわかってもらえたと思う。

ここまでまとめたサイトもなかなかないだろう。(笑)

問題は、何を作って公開するか、なんだよね。

色々と考えてはいるのだけれど、さてどうしようか、というところ。

僕が書いた小説をまずは、青空文庫形式のテキストにしてみてもいいかもしれない。
もちろん、涅槃をうまく使いこなせたら、Web上で縦書きで公開出来る。

ちょっとした読み物で、横書きでもいいものをePub形式で配信してもいいかもしれない。
今すぐ出来るとすれば、NZ旅行情報、NZ生活情報、NZ留学情報なんかはそういうのに向いているかもしれないね。

それから、凝ったものを作りたい場合は、PDFかな。雑誌を作りたいんだよねぇ。

とまぁ、こういう感じで色々と考えているところである。

興味のある人には、参考になったであろうか?

まだまだ調べたいことはあるし、色々とやってみようっと。

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