天空の城、裏話
今日は午前中はそこそこいい天気だったけれど、午後過ぎから曇り。
予報では雨マークがついていたけれど、降らなかったな。
とりあえず、寒い!
さて、昨日公開したYouTubeのビデオ、ご覧頂けました?
まだの方は、まずはそちらをご覧下さい。
それをご覧になってから、次をご覧下さい。
その時の撮影裏話を書こうと思っています。長文。
天空の城竹田城跡のことは、去年だったかな、紅葉撮影に行った時に、たまたま現場で話しかけられた人から教えてもらったと思う。
その時からなにげに意識はしていたけれど、そんなに撮りたい!とは思ってはいなかった。
今回日本に戻ってきて、もう少し竹田城跡について調べてみると、条件が揃わないと、皆さんがネットやテレビでご覧になるような状況にはならないとのこと。
その条件とは・・・
・霧や雲海が発生する数日以内に、雨が降っているとなお良い。
・前日の夜とその日の朝の気温差が激しいこと。
・もちろん、その日の朝は晴れの予報であること。
・10月から11月下旬くらいまでが見頃。太陽が昇ってから9時くらいまで。
ふむ・・・
なかなか見られないというなら、なおのこと見てみたい!(笑)
しかも今の時期が見頃。
だったら、行くなら今しかないなぁ、と思って、天気予報とにらめっこ。
ネットで検索していると、朝来市和田山町|和田山町観光協会のページに当たった。
ここを見ると、いつ雲海が発生したかわかるようになっている。
こうやってみると、なかなか雲海って発生しないんだなぁ、と思わされた。
とにもかくにも、天気予報とにらめっこ。
少し前の予報では、今週の初め頃(明日月曜日)が可能性が高い、という感じだった。
とりあえず、そこに予定を書き込んでみた。
が、日にちが進むにつれ、予報は曇りマークに。
その代わり、14日(木)は晴れマークだった。
が、朝来市の天気予報では、その日の前日までの数日は雨マーク。
うーん、これはどうしたものか、と判断しかねる状況。
イチカバチカで行ってみるか、と、あることをして、それがいい方に出たので、行く決心をした。
幸いにも、車を借りられたから、余計に行く決心がついた。
今、ここは旬な場所。
だから、場所取りは必須。
日本で撮影する時いつも思う。
この場所取りがなんともまぁ、時間の無駄というか。(笑)
NZだったら、有名な場所でも、場所取りなんて必要なく、思った時間に行って撮影できるんだけれどね。
そんなことを言っても仕方ないので、最近撮影している宿題の起床時間より更に早い時間に起きていくことにした。
起きたのは、午前1時!(笑)
前日は、20時頃には就寝。
寝たような寝ていないような感じでとりあえず目が覚めた。
いつもそうなんだけれど、起きる時、行くの面倒くさい、って思うんだよね。(苦笑)
まぁ、それもその時だけなんだけれど。
すぐに準備をして出発。
朝来市までは、播但有料道路が走っているけれど、夜中だし、急いでいる訳ではないので、下の道路で行くことに。
いやぁ、全く車が走っていないねぇ。(笑)
姫路を抜けるまでは信号が結構あったけれど、その先からはあまりなく、思った通り、有料道路を使わなくてもスイスイ行けた。
ただ、田舎に行くと、街灯がなく、本当に真っ暗!
だから、空の様子があまりわからない。
でも、朝来市に近づくにつれ、前方に見える空は、ちょっと白っぽかった。
うん、きっと雲があるんだろう、といい方に考えて現場に到着。
普通であれば、竹田城跡で撮影するだろうけれど、僕的には遠景の方を撮影したいので、立雲峡に行くことにした。
ここからだと、雲の中に城跡が浮いているように見えるからね。
立雲峡に入る道、めちゃ狭い!
今の時間はいいけれど、帰りに対向車とすれ違ったら大変だ、と思った。
途中に、300円の募金箱があったので、それにお金を入れ、しばらく進むと駐車場。
行ってビックリ。
既に20台くらいの車が止まっている!
うわ、これは場所取りダメかも?!と思いながら、また、ちょっと焦りながら、準備を進める。
今日は完全防寒。
上は、ファー仕様のジャケットとダウンジャケットの2枚重ね。
下は、ジーンズの上に、フリース仕様のズボン。
手は、指無しの手袋と普通の手袋。
念のために、耳が隠れる帽子も持参。
荷物を持って早速出かけた。
止まっている車の様子を見てみると、どうも皆さん、車の中で仮眠中?!
それにしても、全く下見もせず、全く初めての場所に来て、懐中電灯一本で山の中に入るって、ある意味無謀だったと思う。(苦笑)
事前情報では、ところどころに案内板がある、ということだったので、安心していたけれど、現場で見てみると、必ずしも親切ではなかった。
途中で分かれ道が何カ所かあり、そういうところにこそ案内板がほしいのになかった...
また、登りが結構きつく、ヒーヒー言いながらの登山。
正直、登るのに必死で思考は働かず、分かれ道の度に、「直感」でこっちだ!と選んでズンズン進む・・・
この立雲峡の撮影ポイントは3つ。
下から、第3展望台(5分程度)、第2展望台(15分程度)、第1展望台。
第1展望台が一番いいとのことだったので、そこを目指す。
駐車場から30分前後とか。
いやいや、この登り坂で30分前後はきつい!!(泣)
また、前日は雨が降っていたので、足下がめちゃぬかるんでいるし。
途中誰とも出くわすことなく、第1展望台らしき場所に到着。
ちょっと拓けていて、そこにいる人たちを見てみると、あれ?と拍子抜け。
下の車の人たち、やはりほとんどが仮眠中だったようだ。
いたのは若いカップル一組だけ!
竹田城跡方面を見てみると、一面の雲海。
どうやらお城は雲の中。
とりあえず、望んでいた状況のようだ。
うーん、一度も来ていないので、どこにお城があるのかさっぱりわからない。(苦笑)
そのカップルに話しかけてみると、前日に下見に来ていたようで、どこに見えるか確認したけれど、わからなくなったって言っていた。(笑)
(彼女は千葉から!彼氏は関西在住で遠距離恋愛。面白かったのが、写真を撮っていたのが彼女の方。)
でも、おおよそあの辺だろう、と教えてもらったので、ここだったらいいかな、という場所でスタンバイ。
人がいないから、どこを選んでもOK。
斜面になっているところで撮ろうかと思ったけれど、ぬかるんでいるので危ないと思い、平坦になっているところにした。
結果、そこでOKだった。
もう気持ち左側だったら更によかったと思う。
落ち着いたところで、改めて風景を見てみる。
正直ね、感動!
日本でもこんなに星って見えるんだ、と。
この写真では見にくいだろうけれど、画面左側に筋状になっているのが天の川。
皆さん、この景色も見ずに寝ているなんて、勿体ない!
あ、ちなみにこの時点で3時過ぎ。
まだまだ時間はあるので、いつものように星を撮影。
いつもの宿題の場所でもそこそこ星は見えているけれど、ここはもっと見えている。
いつも通りにオリオン座を撮影してみたら・・・
何が何かわからないでしょ?(笑)
真ん中の横枝のちょい下に星雲が見える。
三つ星は横枝のちょい上かな。
こちらは右側の方にヒシャクが見える。
ということで、画面中央ちょい下に北極星。
これが多分、北極星。(笑)
これは見にくいけれど、カシオペア座。本当にいい意味で見にくい!
竹田城跡の撮影ポイントは3つ。
・竹田城跡その場所
・僕がいる立雲峡(順光)
・立雲峡から竹田城跡を挟んで反対側にある藤和峠(逆光)
僕的には、逆光が好きだから、藤和峠にしようかと思ったけれど、やはりまずは王道の場所で撮影した方がいいかと思い、立雲峡にした次第。
ポツポツと人が集まり始めた。
それなりに人が集まってきた時、僕の横に1組のご夫婦がいらっしゃった。
何かが切っ掛けで僕が話しかけたのだと思うけれど、それで正解だった。
一人で黙っていると、寒さで耐えられなかっただろうし、また、時間の経過も遅かっただろう。
寒さはかなりだった。
上半身はまだマシだったけれど、下半身と足の指先がかなり冷たくなり、感覚がなくなり掛かっていた。
幸いだったのが、ここは斜面の撮影場所。
北風ではなかったので、その分、寒さはそんなにひどくはなかったと思う。
時々お話しさせて頂くことによって、それらが随分紛れた。
前方の雲はなかなかなくなる様子はなかったけれど、かなり激しい動きはしていた。
そして、5時半前に動きがあった・・・
ほんの少しだけ、竹田城跡が顔を出したのである!
肉眼ではあまり見えなかったけれど、撮影して拡大すると見えていた!
これにはちょっと感動。
で、この時思った。
撮影場所を竹田城跡にしなくてよかったって。
なんでか?
事前情報では、そこに行くならカッパは必須、と書かれていた。
あれだけ激しい雲の動きをしているのだから、ビショビショになるのは必死。
身体が濡れるだけならまだしも、機材が濡れるのがたまらんね。
また、後でわかったけれど、その竹田城跡を拡大してみると・・・後述。
時々竹田城跡が雲の切れ間から見え、それと星空を写すことが出来たのは嬉しい!
さっきは場所取りのことで愚痴ったけれど、早く来たからこういう写真が撮れるというパラドックス。(笑)
こういう写真ってあまりないからねぇ。ベストアングルではないけれど...
星もだいぶん薄くなった頃、いよいよ竹田城跡が姿を現した!6時15分頃。
これはもう感動もの!
空が少し染まった状態がまたいい。
ほぼ見えた。
竹田城跡もいいのだけれど、東の方の雲海もまた素晴らしい!
上記の雲海をちゃんと撮影したかったけれど、動けないので、その場から撮影。
とにかく、雲の動きが激しい。
これは写真だけでは良さが伝えられない、と思ったので、動画も撮影。結果的にそれで正解だった。
YouTubeの方を観て頂ければそれがわかったでしょう。
お隣のご夫婦と話をしていて、僕の直感がすごかった、というのがわかった。
下から登ってくる時、何カ所か分かれ道があった。
どうも違う方を選んでしまうと引き返さないといけなかったようだ。
そのご夫婦は、そうやって引き返してくる人を何度か見かけたそうだ。
僕は間違うことなく、まっすぐ来られたのだから、素晴らしい!
ただ、また行ったとしても、間違いなくたどり着けるかどうかは自信ない。(苦笑)
太陽は既に昇っていて、次に期待する状況は、太陽光が竹田城跡を照らす時!
ふと視線を右側にやると・・・
思わずお隣のご夫婦に言ってしまった。
龍が来ているって。
しばらくすると、二体の龍になった。
有り難いことだ。
日の光が当たると、なんともまぁ、幻想的!
これが現場。
この写真の場所は斜面になっているので、人はあまりいないけれど、僕の左右後ろはかなりの人だった。多分、80人前後はいただろう。
続々と下から上がってきていたからね。
これ、週末だともっとすごいんだろうなぁ。
肉眼では見えなかったけれど、写真を拡大して笑ってしまった。現場の人たちには申し訳ないけれど。(苦笑)
こんな状態で撮影なんてできません!
よかった、向こうに行かなくて。
今のこういう状態だったら、数年前の、人が誰もいない本当に神秘的な写真なんて撮れないと思う。
また、こんなに人がいるのだから、石垣が崩れるのも納得だ。
全貌!
出来れば、雲がかかっている時に、もっと日の光が当たると嬉しかったけれど、その時はちょっと太陽光が弱かった。
かなりいい条件で僕は撮影できているとは思うけれど、そこまで言うと贅沢かな。(笑)
普通であれば、このまま雲が晴れるはずなのに、しばらくすると、また雲の中に隠れてしまった。
どうもしばらくは隠れたままになりそうだったので、引き上げることにした。8時過ぎ。
夜中に足元ばかり見て歩いていたので、周りの様子はさっぱりわからなかった。
モミジは赤色に。
下の方はまだ霧が掛かっている。
第2、第3展望台から撮影できるかと思ったけれど、こんなに霧が濃いのでは撮影できない。
実際にそうだった。
とにかく、下がぬかるんでいたので、下りるのは大変だったのである。
駐車場を出てみてビックリ。
駐車場に入りきれない車は、幅の広い道路脇に何台も止められていた。
このまま竹田城跡に行こうかと思ったけれど、せっかくだからロケハンも兼ねて藤和峠に行ってみることに。
藤和峠に行ってみると、こういう状態。
この撮影場所は、立雲峡と比べれば移動はとても楽だった。
駐車場というか少しだけ拓けていて、そこに車が5台くらいは止められる。
既に何台か止まっていたので、邪魔にならない道路脇に僕の車を止めた。
そこから竹田城跡を撮影するポイントは、徒歩10秒!(笑)
どうやら竹田城跡は雲の中で、どこなのかさっぱりわからない。
しばらく様子を見ることに。
柿。
この日は空が美しかった!
9時前から現場にいて、もう少し、と思って待ってみる。
30分以上待った頃・・・
どうやらそこが竹田城跡?!?!
この日は、部分的な暈、幻日を見られた。
ということで、こちらでも雲の中から現れる竹田城跡を撮影できた!
なんか嬉しかったね。
こちらは太陽が昇りきっていたので、完全に逆光。
ご覧のように、水墨画的な写真になった。これはこれで好き。
太陽が山の向こうから出てきて赤みがかった光が差したらきっといい感じになるだろうな。
ここでも撮影してみたい!
完全に竹田城跡が現れたので、次は現場に行ってみることに。
いやぁ、事前情報通りだった。
中腹駐車場に止めたい車で渋滞。
そんなのに加わりたくないので、僕は手前の山城の郷に止めた。無料。
そこから道路を歩いて20分ほどでその中腹駐車場に到着。
山登りでかなり足が参っていたけれど、頑張って歩いた。(笑)
その中腹駐車場からさらに15分ほど歩くと、竹田城跡。
これ、思った。
足腰の弱い人にとってはかなり酷な場所だ。
お昼前だったので、観光客で一杯だったけれど、そういう人たちは大変そうだった。
本当に噂通りの観光客の数だった。
掃除をしていた人が言っていた。
前日まで3日間雨が降っていたから、すごくぬかるんでいる、と。
確かにそうだった。
ここに来る方、きちんとした靴を履いてきましょう!また、汚れてもいい格好で。
これが定番の写真。
このアングルで、雲海が広がって、日が差していればとても幻想的な写真になる。
こうは撮ってみたものの、実際の現場は・・・
そう、補修工事中。
ニュースにもなっているけれど、最近はすごい数の人が訪れているので、崩落が始まっている。
だから、それを補修中。
また、最近、ここに入るのも有料になった。300円。
有名になりすぎるって大変ね。
ふと思った。
ここ24時間出入りできるのだけれど、有料になったということは、入り口には24時間スタッフがいるっていうこと??
こっちのアングルもいいと思う。
なんであれ、僕はここから撮るより、立雲峡から撮る方が好きだな。
まだまだ他の写真を出したいのは山々だけれど、YouTubeの方を観てもらえれば、ほぼ全てわかってもらえると思うので、そちらをご覧下さい。
しばらくここの景色を堪能し、家に戻ることに。
その前に、竹田城跡の麓にある町を歩いてみたいと思った。
少し前にテレビのある番組で、新しい施設の紹介があったので、そういうのも見てみたいと思ったので。
が、駐車場がないようで、それは断念。
(あとで道の駅にある地図を見ると、川方面に駐車場があったみたい。)
その前に、1カ所立ち寄りしたい場所があった。
それは、播磨屋本店。
以前からここは訪れてみたい、と思った。
とてもいい雰囲気の場所に思えたから。
ナビにここをセッティングしたけれど、見過ごしてしまった。(笑)
だって、大きな看板とかないんだもん。
諦めてそのまま帰ろうかと思ったけれど、もう一回だけ、と思って引き返した。
ようやく発見。
商売っ気がないというか、小さい看板があっただけ。
目印は、312号線を挟んだ真向かいに、たいこ弁当がある。そこ。
ご覧の通り、とても雰囲気のある建物!
こちらはレストラン。
水車。左側では、ちゃんと米をついていた。
レストランの中。
営業は週末のみ。食べてみたいと思っていただけに、タイミングが合わず残念...
お土産として、おかきのこわれを購入。
こわれとは、製造過程で形が崩れてしまったものを安く売っている。一袋400円ちょっと。
本当なら、本命のはりま焼きせんべいがほしかったのだけれど、この日は売られていなかった。これまた残念...
ということで、この日の撮影は終了し、家路へと。
足が肉離れを起こしつつ、アクセルやブレーキを踏んでいたのであった。(笑)
総括。
とにかく、僕は運が良かったと思う。
思い立ったのがほんの数日前。
直感でこの日!と決めた時に、かなりいい条件で竹田城跡と雲海を見られたと思う。
もし可能なら、もう1回、今月中に行ってみたいなぁ...
竹田城跡には桜の木が何本もあった。
桜の季節にも是非、来てみたい。
雪の景色も撮影してみたいと思うけれど、雪の中あの山を登るのは大変だから無理だな。(苦笑)
今回の写真だけでも写心展が出来るくらいの素晴らしい写真が一杯ある!
いい形で発表したいものだ。
ということで、超長文になりましたが、竹田城跡の撮影レポートでした。
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