8月中旬の障害対応で、色んなことを勉強出来た。
そのお陰で、こういうことも出来るんだ、ということを知った。
その一つが、Windows To Go。
USBメモリにWindowsをインストールし、どの端末からでも起動出来るというもの。
自分のPC環境を、出先でも再現できるのだから、とても便利。
しかも、使わせてもらう端末に一切手を加える必要性はない。
UbuntuのようなLinuxでは既にこういうことは出来ていたけれど、Windowsをメインで使っている人には、とても喜ばしい機能。
しかし、問題が一つ。
このWindows To Goは、基本的には、Windows8/8.1のEnterprise版でしか使えないこと。
また、若干の使用制限もあるよう。
一般の人がEnterprise版を買って使うことなんてほとんどないだろうし、必要性もないだろう。
出来れば、無印かPro版でそういうことが出来れば・・・なんて思う。
今回の障害対応で使わせてもらったソフトに、AOMEI Partition Assistantというものがあった。
基本はパーティションを操作するソフト。
(SSDのアライメント調整機能もある!)
でも、これには面白い機能が一つある。
それは、Windows To Goを作るというもの。
それも、Enterprise版ではなく、無印やProでもそれが出来るとのこと。
早速作ってみた。
おおー、本当に端末関係なくWindowsが起動した!
1回目は、デバイスのチェックが入るので、多少時間はかかるけれど、2回目以降は普通に起動する。
ただ、このAOMEI Partition Assistantでは、Windows8.1 Pro 64ビットでは出来たけれど、無印64ビットの方は途中でエラーとなって出来なかった。
なんであれ、その時は試しで作ったものなので、ライセンス認証はしなかったけれど、もし、余ったライセンスを持っている人がいるなら、Windows To Goを作っておいて、それを持ち歩く、というのもいいと思う。
自分の環境で作業できるというのは一番いいからね。
また、障害時対応でも使える。但し、その端末のハードウェアに問題がなければ、ということが条件になるだろうけれど。
あと、正式使用しない、つまり、そのOSは自分のPC上でちゃんと動くのだろうか?というお試し的な使い方もいいと思う。
僕としては、Windows To Goの動きを確認できただけでも十分だったのだけれど、AOMEI Partition Assistantでは無印のWindows8.1が扱えなかったのが不服。
なんか他に方法はないだろうか?と思って探してみた。
行き当たる情報としては、install.wimというものが必要。
これがあればなんとかなるようなのだけれど、手持ちのインストールISOの方には、install.esdしかない。
最初の頃は、このinstall.esdをinstall.wimに変換しないと出来ないと思っていたので、そういう情報を探したけれど、なかなかうまくいかない。
また、結構面倒なやり方だったり、別途ソフトが必要だったり。
ひょんなことから、install.esdはdismコマンドで展開できるというのを知った。
展開してみると、確かに、Windowsのインストール後の状態になっている。
更に調べてみると、あった!有用な情報が!!
サードパーティーのツールを一切使わず、ものすごく簡単に、Windows上だけでWindows To Goを作成する方法。
しかも、そこではinstall.wimを使っているけれど、イメージの展開のコマンドやパラメータが僕がinstall.esdに対してしたものと全く同じ。
これ、もしかして出来るのでは?なんて思ってやってみると、成功!
ということで、手持ちのインストールISOやディスクの中のinstallファイルの拡張子が、wimであれ、esdであれ、どちらであっても出来ることがわかったのである。
日本語のページでは、こうやって簡単に、wim/esdどちらであっても出来るという情報があまりないようなので、このページを立ち上げた次第。
また、このやり方で、Windows10でのWindows To Goも出来た。
このやり方のいいところは、USBメモリだけに制限されないこと。
普通の外付けHDDや外付けSDDのようなものでも可能。
USB3.0の外付けSSDにインストールし、USB3.0端子に挿して使ったら、普通のシステム環境と遜色ない状況で使用可能。
Windows10の導入をためらっている人で、手持ちに16GB以上のUSBメモリか、外付けHDD/SSDがある人は、ここのやり方で作って動作確認してみてはいかが?
きっとWindows10に移行しようかな・・・なんて思うかも?!(笑)
Virtual Boxで動作確認は出来ても、ネイティブに近い環境で動かすのとでは違うと思うので。
前置きが長くなったけれど、そのやり方を書いていこう。
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参考にしたページ。
How to Create a Windows To Go USB Drive
[環境]
Windows8.1 64ビット上で実施。
上記ページには、Windows7でのやり方も書いている。
違いは、イメージの展開の仕方だけ。
Windows8.1では、dismコマンドを使用。
Windows7では、imagexコマンドを使用。
[用意するもの]
・Windows To Goにしたい、Windows8.1やWindows10のOS。。
それぞれ、市販のインストールディスクがなくても、Microsoftの方でISOファイルとしてダウンロード可能。
僕の方では、Windows8.1無印64ビット、Windows8.1 Pro 64ビット、Windows10無印64ビット、Windows10 Pro 32ビットで作成し、動作確認済み。これだけ確認していれば、他のエディション、ビット数のものでも大丈夫でしょう。
・16GB以上のUSBメモリ(遅くてもいいなら、USB2.0でもOK)、外付けHDDや外付けSSD。
[お願い]
何が起こっても僕の方では責任は負えないので、自己責任で行って下さいね。
正式に継続使用する場合は、プロダクトキーを用意し、ライセンス認証しましょう。
[作業開始]
(1) USBメモリをフォーマット
『diskpart編』
コマンドラインに抵抗がない人は、この方が速いでしょう。
まずは、コマンドプロンプトを管理者モードで起動。
次の手順で、USBメモリを初期化。
select diskの部分を間違えるとどえらいことになるので、そこは慎重に。
現在お使いのシステムが消えてなくなってしまう可能性があるので。
次に、フォーマット作業。
ブート領域のフォーマット作業。
今回、Bドライブを割り当てしているけれど、環境は人それぞれなので、空いているドライブレターを割り当てても良い。
Windowsをインストールする領域をフォーマット。
この場合のドライブレターも同じで、好きなものにしてもよい。
以上で、Windows受け入れ準備完了。
この下は飛ばして、「(2)Windowsをコピー」へ。
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『コンピュータの管理編』
コマンドラインでは自信のない人は、こちら。
でも、どうしても一箇所だけコマンドラインを打たないといけない。
「コンピュータの管理」を開き、左側のメニューの中から「ディスクの管理」をクリック。
ディスクの環境は人それぞれ。下記は、僕の環境。
僕の場合は、USBメモリはディスク1となった。
USBメモリを初期化するために、まずは、対象となるパーティションを選択し、右クリック。「ボリュームの削除」を選択。
残ったものも同様に、パーティションを選択し、右クリック。「ボリュームの削除」を選択。
普通のUSBメモリのパーティションは大概1つなので、上記は1回すれば大概済むはず。
新たに領域を作るため、ドライブを右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択。
起動した画面で次へボタンを押す。
この画面で、「350」MBに設定し、次へ。
(※2019年12月31日のHALさんのコメントで、Systemサイズの肥大化により、ここは「600MB」ほどにすればよいとのことです。)
ドライブ文字を「B」にする。環境によって、割り当てられない場合は、違うドライブ文字でOK。覚えておくこと。
FAT32でフォーマットする。
Windowsのインストール領域を作成。
そのパーティションを右クリックし、「新しいシンプルボリューム」をクリック。
起動した画面で次へボタンを押す。
すべての領域を割り当てるので、最大値にする。よって、基本的には数値を変更する必要性はないでしょう。
ドライブ文字を「O(オー)」に割り当て。人によって割り当て出来ない場合は、違うドライブ文字でOK。覚えておくこと。
NTFSでフォーマットする。
初心者にとっては、次がちょっと難易度が高い。
管理者モードでコマンドプロンプトを起動。
僕が書いた黄色い説明の左横に書いているコマンドを実行していく。
USBメモリの場合は、容量が小さいので、間違えることはそうそうないでしょう。
外付けHDD/SSDにインストールする場合は、容量で区別がつきづらいので要注意!
くれぐれも「select disk」のところで番号を間違えないように。
基本的には、「コンピュータの管理」画面で表示されている番号(下記の絵で言えば「ディスク1」)と同じはず。
間違えるとご自身のシステムが起動しなくなる恐れがあるので、お気をつけて。
出来上がった結果。
この画面で、パーティションのアクティブ化が出来ればいいのだけれど、USBメモリの場合は出来ないようだ。
最初から「diskpart」でやっても、「コンピュータの管理」画面でやっても、こういう結果になるはず。
なっていなければ、どこかで手違いがあったのだと思う。
(2)Windowsをコピー
手元にインストールディスクがある場合は、それをPCのDVDドライブに挿入。
ISOファイルをダウンロードした人は、そのISOファイルをダブルクリックし、ドライブとしてマウントする。
僕の場合は、MicrosoftのWebサイトからISOファイルをダウンロードし、こういう感じで名前を付けていた。それをダブルクリック。
そのドライブの中から、「install.esd」もしくは「install.wim」を探す。
MicrosoftのWebサイトからISOファイルをダウンロードした人は、「sources」のフォルダの中にあるはず。
どちらのファイルであっても、容量的に、2~3GBあれば、そのファイル。
管理者モードでコマンドプロンプトを起動し、
Dism /Apply-Image /ImageFile:E:\sources\install.esd /Index=1 /ApplyDir:o:\
と入力し、実行。
「E:\sources」はインストールDVDやISOのドライブ名とフォルダ名。皆さんの環境に合わせて変更して下さい。
行の最後の「o:\」を変えた人は、そのドライブレターにすること。このドライブに、Windowsをインストールする。
このBlogでは、「\」となっているけれど、半角の「¥」円サインマークなので。
念のために画像で。
問題なければ、解凍処理が走る。時間が掛るので、しばし待つ。
(3)ブート領域作成
英語の説明のものとコマンドがちょっと違う。
僕たちは日本人なので、日本語の設定が必要。
o:\Windows\System32\bcdboot o:\Windows /l ja-JP /s b: /f ALL
「o:\」は、Windowsをインストールしたドライブ名、「b:」はブート領域のドライブ名。
このBlogでは、「\」となっているけれど、半角の「¥」円サインマークなので。
念のために画像で。
以上で完成!
【注意】
32ビット上で64ビットのWindows To Goは作成出来ないと思う。
でも、64ビット上で、32ビットのWindows To Goは作成出来る。
但し、この最後のブート情報書き込み部分で注意が必要。
通常のコマンドプロンプトではエラーになるので、32ビット版のコマンドプロンプト「C:\Windows\SysWOW64\cmd.exe」を探して、右クリックして管理者モードで起動すること。
そうすれば、ブート情報を書き込める。
(4)起動
作成したUSBメモリやHDD/SSDをPCに接続し、起動。
1回目は、そのPCの環境を読み込み、デバイスを準備するので時間が掛かるけれど、2回目以降は普通に起動する。
Windows 8.1 Pro 64ビットでの、初回起動時の画面。
こっちは、Windows10 Pro 32ビット版の起動中画面。さして変わらない。
この後は、通常の情報入力画面になるので、ユーザ名やコンピュータ名を入れていく。
あまり意味はないけれど、Windows 8.1 Pro 64ビット起動後のシステム画面。
Windows 10 Pro 32ビット起動後のシステム画面。
今となっては、WindowsタブレットにもおとるCPU。(笑)
サクサクとまではいかないけれど、とりあえず動く。
インストール容量を見てビックリでしょう。
素のWindowsだと、思ったよりも領域を使っていない。
あとは、デバイスマネージャーを起動して、機能していないデバイスのドライバーをインストールすれば良い。
このやり方を理解していれば、Windowsを再インストールする時に、いちいちDVDを作らなくてもいい。
別途PCがあり、ISOファイルがあれば、楽に出来る。
久々の面白い「おもちゃ」であった。(笑)
ということで、Windows To Goライフをお楽しみ下さい!
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