ゴースト・ボーイ
もっといい天気になるかと思ったけれど、午後からは薄雲。
以前に比べれば、随分と暖かく感じるけれど、もう一息。
ふと見上げると、
わかりにくいけれど、上部に暈。
しばらくすると、見えなくなった。
本当にタイミングだ。
以前書いた、意識のある状態で10年動かない身体の中で過ごしたマーティン・ピストリウス。
彼が書いた本を読んだ。ゴースト・ボーイ
概要は、こちらで。
この本、読むのが大変だった。
読みづらいということではなく、こういう人生もあるんだって。
意識がある状態で全く気付いてもらえない。
しかも、10年という長い年月。
本1冊だと長さを感じないけれど、本当に大変だったんだろうな、と思う。
前の記事で、彼は夢想していた、と書いた。
この本に、その夢想の内容の一部が書かれていた。
これは本当に夢想で、言い方を変えると、現実逃避。
辛い状態からなんとか逃れたいということで、色んなストーリーを作り、その中で生きている、というもの。
僕は、自分の身体が動くように、というような夢想かと思っていたけれど、そうではなかったようだ。
書かれていなかったけれど、もしかしたら、そういうこともしていたかもしれないけれど。
P88
それでも、自分の想像力にはずっと感謝し続けるだろう。それが神さまからの最大の贈り物だと、ぼくは昔から知っていた。想像力は牢獄の扉を開ける鍵で、ぼくをここから逃げ出させてくれた。扉を開けては新しい世界へ乗り込み、いくつもの世界を征服した。空想の世界では、自由だったから。
人間の想像力って、やっぱりすごいんだな、と思わされる。
それが彼にとっての、その時の唯一の希望というか、生きがいだったのだから。
彼のその状態の心情がよく表されているのがこれかな。
P101
ギリシャ神話には3人の復讐の女神が登場する。ぼくの物語にも女神たちがいるとすれば、その名はさしずめ、「イライラ」と「恐れ」と「孤独」だろう。
自分ではどうしようもないからね。
P100
赤ん坊だって泣き叫んで不満をぶつけることができるのに、ぼくにはそれすらできないのだ。
本当にこの通りだったのだろう。
でも、意識が戻っていることに気付いてもらってから、状況がドンドン変わっていく。
不思議なことに、彼は、何も出来ない状態だったし、独学なのに、PCにとても詳しくなり、なんと、PCのトラブルを3つも解決したとのこと。
これは素直にすごいなぁ、と思った。
そうやって、彼は、ドンドンとPCに詳しくなっていき、そういう仕事を始めていく。
また話は戻って、空想に関してこういう記述がある。
P200
ちなみに、ぼくが話しかけていた唯一の相手は神だったけれどけれど、神は空想の世界の一員ではなかった。ぼくにとってリアルな存在だったからだ。神はぼくの中や周りにいて、宥めたり安心させたりしてくれる。
信仰心とか宗教とか関係なく、そういう絶対的孤独の状態だと、やはりこうなるのかな。
そして、ついに、心から分かり合える人との出会い。
やはりいるところにはいるんだね、そういう人が。
彼はそういう人がいるって絶対的に信じていたわけではない。
何度も失恋しているし。
それでも、そういう出会いが用意されていた。
後半のこういう箇所からは、本当によかったなぁ、と思わされる。
その彼女との結婚式の時に読み上げられる聖書の一部が出ていた。
「いつまでも残るものが三つあります。それは、信仰と希望と愛。その中で最も優れているものは愛です」
彼なら、心の奥底から、こういうことがわかるんだろうね。
どんなに絶望的な状況であっても、どんなに絶望的な状態であっても、生きていれば、なんとかなるんだな、と思わされた。
このなんとかなる、というのは、表現がしようがなく、こういう書き方をしているけれど、人それぞれ、生きる意味、生かされている意味っていうのがあるんだな、と思わされた。
この本を読めば、人それぞれ、思うことがあるでしょう。
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