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2021年7月 3日 (土)

中国版リトル・フォレスト的

朝は曇り。

しばらくすると、太陽が出た。

今日は、朝目が覚めた時から、空気が重い!

めっちゃ湿気で、ムッシムッシだ。

 

いつの頃からか、数ヶ月前かな?この番組「ブイ子のバズっちゃいな! | バラエティ | 無料動画GYAO!」を見るようになった。

一般的には、Vloggerと言えばいいのか?認知度では、YouTuber、そういう人達の動画を紹介している。

これが日本とかだったらそれほど興味を持たなかっただろうけれど、中国の動画ということで、一味違ったものが観られそう、と思って観始めた。

「6月16日放送分」を観て、ある1本の動画にくぎ付け....

その動画は、お茶摘みから始まり、お茶っ葉を作り、近所の人達とお茶会をするというものだった。

喝的是茶,过的是生活 Tea is more than a drink, but a lifestyle.丨Liziqi Channel - YouTube

これが何と言うか、「美しい!」の一言。

映像そのものも美しいし、彼女の家周辺の風景や家も美しい、彼女の作る料理も美しい。

その動画を作ったのは、李子柒(リー・ズーチー)という女性。

彼女、四川省の田舎に住んでいて、ほぼ、自給自足の生活をしているのだそうだ。

話は突然変わるけれど、僕は、橋本愛主演の「リトル・フォレスト 夏・秋 [Blu-ray]」「リトル・フォレスト 冬・春 [Blu-ray]」が好き。

日本の田舎の素朴な風景、彼女も自給自足のような生活をしていて、本編の中で作る料理がいい感じ。

これを観てから、こういう感じの映画ってないかな?と思って、探してみたけれど、なかなか見当たらない。
レビューで、風景の映像が綺麗とか書かれていても、僕的には、うーん・・・だったりするものが多かった。

まさしく、この李子柒が作っている動画は、僕が求めていたもの、中国版リトル・フォレスト的と言ってもいいものだった!

興味を持ったので、彼女のチャンネルを探してみた。

bilibiliに本家があるらしく、これだった。
李子柒的个人空间_哔哩哔哩_bilibili

そして、YouTubeにもチャンネルがあった。
李子柒 Liziqi - YouTube

本数で言えば、bilibiliの方が多い、というか、古いものもある。

僕が知らなかっただけなんだけれど、この人、超有名人だったのね。
チャンネル内の動画再生数を見て驚いた。

色々と観てみたのだけれど、この人、本当にすごいわ。

彼女の自給自足というのが、日本人が考える自給自足のはるか上を言っている。

めっちゃゴージャスな自給自足だと思う。
あんなにすごい種類や量の野菜やら何やら、日本では個人レベルではありえないでしょう。

超リッチな自給自足だ。

料理の腕前は尋常ではない。
DIY力もあり、染物、裁縫も出来、音楽も出来る。

彼女の料理の腕前、素人の域ではないだろうし、ああいう感じの料理、中華料理を紹介するようなテレビ番組でもなかなか観られないものではないだろうか?
奇抜というわけではなく、家庭料理的、でも、ゴージャズ。

料理の次元で言えば、「リトル・フォレスト」の料理が霞んで見えてしまう。(苦笑)

それから、料理の作り方、道具が面白い。

現代風(電気やガスの調理器具)ではなく、昔ながらのもの。
火は薪を使ったり、釜を使ったり、臼を使ったり。

そういう昔ながらの器具でも、料理はいい感じに仕上がっている。

動画そのものに関して言うと、映像の作り方の企画力、演出力はすごい。
中には、映画のように、1年かけて撮影して編集しているものもある。

何でも出来るという、この人、超人だわ。(笑)

最初の何本かは、動画のすごさに驚いていたけれど、段々と冷静になって観るようになると、違う思いが出てきた。

まず、1本1本の動画、なんか長編CMみたい。綺麗すぎる。

次に、彼女にとっては現実の世界の延長なんだろうけれど、僕側からすれば、非現実的。
あまりにも浮世離れしていて、とてもこの世のものとは思えないような生活感。
中国風に言えば、桃源郷の世界かな?(笑)

もちろん、毎日あんな豪勢で手の込んだ料理を作っているわけではないだろうけれどね。(苦笑)
(とても2人分とは思えない量を作っている。きっと、撮影終了後、撮影スタッフと一緒に食べているのだろう。)

月1本アップしているようだから、そのため用の演出なんだろう。

動画の作り方に関しては、全体的に、一言で言えば、彼女のセンスに脱帽。

カメラアングル、撮影の仕方がさっぱりわからない。
あまりにも自然な展開なので。
料理のシーンは特に。

ドラマや映画であれば、同じシーンを何度も違う角度から撮り直す。
が、彼女の動画は、何度も撮り直ししているようには見えない。
かと言って、何台もカメラを置いて撮影しているようにも見えない。
本当に自然。
(多分、そう見せないように相当工夫しているのだろう。)

彼女の撮り方のポイントとして、カメラを基本的に動かさない。つまり、動くものを追いかけて、カメラを振らない。
三脚に固定したままの撮影。
せいぜい、ピントをずらすくらい。

だからか、画一的というか、映像に「動き(人や何かが動くという意味ではない)」が感じられないものになっているように思う。
「緩急」で言えば、「緩」しかない。
もし、被写体を追い掛けるような撮影もすれば、映像にもっと広がりが出てきて、観る人を飽きさせないものに出来るのではないだろうか?
(数年前の動画を観ると、カメラを振って撮影している時がありますね。)

映像を観ていて、「違和感」を感じたのはこれなんだと思う。

きっと、彼女が一人で撮影していた時の名残・癖なんだろうな。
撮影も含めて、全て一人でやっていたら、否が応でも三脚で固定して、カメラは動かせないからね。

なんて、偉そうに書いてみる。(笑)

彼女の動画、続けて観ていると、いい意味で疲れる。

例えで言えば、腕のいい料理人が、高級食材を使って、毎食作って食べさせてくれる、という感じ?(笑)
なんという贅沢!(笑)

もう少し、素人的な作りにすればよかったのに。

とは言っても、彼女は既に5年以上のキャリアがあって、今となってはプロ、「李子柒」というブランドだから、そうもいかないか。

これが中国の田舎の本当の生活か?とか現実的かどうかは別として、一つのエンターテイメントとして観るのがいいね。
もしくは、彼女のPVとして観る。

これも、世の中にたくさんある一つの「チャンネル」「番組」、つまり、李子柒主演、演出、監督の四川省の田舎の風景や彼女の作る料理を堪能するフィクション番組だと思って観ていればいい。

僕的には、毎月1回、短編映画、中国版リトル・フォレスト的なものが公開されると思えばいいかな。(笑)

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