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2022年1月17日 (月)

1812

空は薄雲だったけれど、晴れ。

風は強めだった。

 

昨日書いた、古い時代の録音なのに、Antal Doratiの録音の良さに衝撃を受けた、に続きが出来てしまった。(笑)

何気に、チャイコフスキーの「序曲1812」について検索していると、名盤というか、「迷」盤のようなものもあるというのを知った。

今回紹介するものも、衝撃を受けた。
違う衝撃なんだけれど。

まずは、昨日にも書いたAntal Dorati(アンタル・ドラティ)とMinneapolis Symphony Orchestraによるもの。1958年録音。

1812 Overture, Op. 49, TH 49 - YouTube

そして、同年代のFritz Reiner(フリッツ・ライナー)とChicago Symphony Orchestraによる1957年録音。

Overture Festival 1812 - YouTube

どちらも古い年代なのに、音がとてもいい。

 

次は、Kenneth Alwyn(ケネス・アルウィン)とLondon Symphony Orchestraによるもの。

Tchaikovsky: Ouverture Solennelle "1812," Op.49 - YouTube

これも録音が1958年と古いけれど、いい音だ。
さすが、Decca、と言ったところか?(笑)

 

次は、Neville Marriner(ネヴィル・マリナー)とAcademy of St. Martin in the Fireldsによるもの。1990年録音。

1812 Overture, Op. 49 - YouTube

好きな指揮者の一人。

 

次は、Erich Kunzel(エリック・カンゼル)とCincinnati Symphony Orchestraによるもの。1979年録音。

1812 Overture - Tchaikovsky. Erich Kunzel conducting the Cincinnati Symphony Orchestra. 1979 - YouTube

同じく、Erich Kunzelなんだけれど、オケが変わって、Cincinnati Pops Orchestraとのもの。録音は新し目で、1999年。

Tchaikovsky: 1812 Overture, Op. 49 - YouTube

これの一味違うところは、「合唱付き」というところ。

これを聴いてから他のを聴くと、頭の中で合唱が聴こえてくる。(笑)

 

最後が、今回書く切っ掛けになったもの。これもまた衝撃を受けたのであった。

ロシアの指揮者Evgeny Svetalanov(エフゲニー・スヴェトラーノフ)とUSSR Symphony Orchestraによるもの。1974年録音。

同じだけれど、2つ載せておこう。

スヴェトラーノフ指揮「1812」 0001 - YouTube

Tchaikovsky 1812 Overture USSR State Symphony Orchestra Evgeny Svetlanov 1974 - YouTube

まず、出だし。

生の弦楽器とは思えないような音。
なんか、PCのMIDIから出てくる音のようで、ちょっと変わっている。

いつもの場所に大砲の音がないので、あれ?と思ってしまった。(笑)

全体的に言えるのは、ものすごく情熱的で、鬼気迫るものを感じた。
こんな演奏があったのか!って。
今まで聴いてきた1812が霞んでしまうくらいのすごさ。
これまで聴いてきたものって、優等生というか、本当にクラシック的と言える。

Antal Doratiのものより新しい録音だけれど、録音状態は決していいとは言えない。
なんて言うか、いかにも昔に録音したクラシック音楽っていう感じで、自分のイメージする古いクラシック音楽の録音って、こういう感じ。

でも、この演奏は、そういうのが気にならないくらい、感情に訴えかけるというか、魂まで響いてくるような演奏。

これを知ってしまった今、他の1812が聴けなくなりそうだし、中毒性がありそう。(苦笑)

クラシックでこういうのってなかなか出会えていなかっただけに、衝撃的であった。

ロシア人作曲家の曲は、ロシア人指揮者によるものの方が、より「情感」が出るのだろうか?

以前取り上げた、Valentina Lisitsaのベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」も同じように訴えて来るものがあった。

Beethoven Sonata # 14 "Moonlight" Op. 27 No. 2 Valentina Lisitsa - YouTube

この演奏、本当に好き。

話を戻して、Evgeny Svetalanovの演奏で面白いのが、14分以降。

チャイコフスキーが作った1812ではなくなっているのである。

なんでも、シェバリーンという作曲家が、ソ連当局から、チャイコフスキーが引用した「ロシア帝国国歌」部分の変更要請を受け、グリンカのオペラ「皇帝に捧げし命(イワン・スサーニン)」の旋律に改竄(改編)したのだそうだ。

ソ連時代の人達は、ソ連以外で聴いていた1812とは違うものを聴いていたんだね。

ということで、面白い1812になっていて、世界に1つしかない「迷(名)」盤と言えると思う。

Evgeny Svetalanovは、1992年に録音したものもリリースしている。

Tchaikovsky: 1812 Overture - Russian State Symphony Orchestra/Svetlanov (1992) - YouTube

うーん、普通の1812になってしまっている、普通のクラシックになってしまっているように感じる。
1974年のものがあまりにも強烈すぎるから仕方ないか。(苦笑)

それにしても、今更、クラシック音楽で、連続してこんなに衝撃を受けることがあろうとは思いもしなかった!

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